日本の教育における数学的表現

英語圏において標準的な数学的記法と,日本の教科書において標準的な数学的記法には,いくつかの違いがある。 これによって,LaTeX をはじめとする組版ソフトによって高等学校・中学校向けの数学に関する教材を書くときには,気を配らねばならない。 それらの違いについて,簡単にまとめる。

There are some differences between the standard mathematical notation in English and in Japanese high school. This means that we have to be careful when writing educational materials on mathematics for junior/senior high schools using typesetting software such as LaTeX. These differences are briefly summarised below.

配付資料の体裁

授業において,追加で資料(授業プリント)を作る・教材を書くということはよく起こる。 その中身については,教員それぞれの考えかたに基づいて力が尽くされているだろう(そうでなければ,そもそも自らで書かずに教科書や市販のもので済ませればよい)。 しかし,その体裁へはあまり思いが馳せられていないのではないかと感じる。

ここでは,高等学校数学科教員の立場から,配付資料(授業プリント)の体裁について考える。高校数学資料を念頭にしているが,他の教科・科目でも同じように考えることができると思っている。